こんにちは。
流山児事務所の
はっしーこと、橋口佳奈です。
稽古が始まった最初の頃は、
実際の史実と、宮本研さんが思い描く、
フィクショナルな人物像や、時代背景、
登場人物達の交流がないまぜになっていて、
難しい戯曲だなぁと思いました。
政治と芸術が近しい距離に、絡み合っていた時代、
芸術がプロパガンダに利用されたり、
芸術もまた政治社会の手を借りて栄光を掴もうと
躍起になった時代。
現代にも通ずる、今から100年前の、
遠いようで、近しい感じの物語。
実際に相手の声や、言葉を耳にしながら
稽古が進むに連れて、
各シーンが言いたいこと、
伝えたい事が、はっきりと分かるようになると、
「あぁ、そうか」と腑に落ちるようになりました。
多くのお客様に、
この作品を楽しんで頂けるよう目指したいです。
さて、私、橋口は
今回の「美しきものの伝説」では、
サロメ(神近市子)を演じさせて頂きます。
史実では、
幼少期から勉強、読書好き。女学校を卒業後、
女子英学塾(現在の津田塾大学)に通いながら、
平塚雷鳥に影響され、青鞜社に参加するも、
卒業条件がもとで、青鞜社を脱退。
語学の才能を活かし、
女性記者として東京日日新聞に勤務。
革命の思想家、大杉栄氏に惹かれ、
燃えるような恋に落ち、
新聞社をクビになってまで、
金銭面で大杉さんを援助したが、
裏切られて、刺し違えてでも死のうと、
葉山の日陰茶屋にて、就寝中の大杉の首を
小刀で刺し、近くの海に身投げをしようする
…が、死にきれずに、自首して投獄。
後に、戦後まで長生きし、
女性運動家、政治家として、
売春防止法成立に尽力した、強き女…との説。
調べてみた感想は、真反対だなぁと思いました。(笑)
初恋だったようなのですが、
燃えるような恋とはなんぞや(笑)
会社員をクビになってまで支援する精神が
すごいなぁと…。
子供の頃から、男尊女卑の世間に疑問を
持っていた彼女は、後に、女性運動家として
進む、強い意思があった…。
昔の人の、パワフルなこと。
ですが、昨今、女性が立ち上がることも
珍しくはなくなってきているので、
今に通ずる点も多いのかなぁと、
思う次第でございます。
個人情報保護法なぞ無かった当時は、
少しでも名を馳せれば、すぐスキャンダルな
展開が無いものだろうかと、
野次馬がはびこっていたんでしょうかねぇ…。
またまた、大杉さんが多角的恋愛関係を
提唱するもんだから、余計に…。
結局、関係は破綻して、金銭的取引の多かった
神近さんがブチ切れて、殺人未遂事件に発展。
でもって、叩かれたかと思いきや、
彼女の罪の告白に共感、同情する人の方が多く、
大杉さんや伊藤野枝さんがマスメディアの餌食に…。
などなど、
ひとりひとりの史実を追っかけていたら、
到底、2時間30分では収まらないので、
宮本研さんの戯曲でお届けするわけですが、
フィクショナルもありつつ、
でも、登場人物たちの史実や歴史背景は
大正時代に沿っているので、
登場人物たちの熱い熱量は、変わらないはずです。
いや、そうでありたい!!
出演者一同、全身全霊、全力疾走で挑みます!!
大正時代を ”活きていた” 若者達の熱き物語、
ぜひ、劇場でご覧下さいませ!!
はっしーでした!!