こんにちは。
流山児事務所の松永です。
今公演『帝国月光写真館』の話に出てくる三原山自殺事件は実際にあった話です。
1932、33年(昭和8、9年)に三原山の火口で一人の女学生冨田が二人の女学生の自殺にそれぞれ同行し、その死を見届けたという事が当時の新聞の記事にあります。
彼女(冨田)は何故二人の女学生の死に付き添ったのかその理由は定かではありません。
彼女はその後各メディアによって「死の立会人」「死を誘ふ女」など散々な記事にされ、それが原因で心身共に病んでしまったのか自宅に引きこもりその後病死してしまったそうです。
ある記事に寄れば診断した医師の所在が不明との事で彼女の死に関して病死ではなく自殺したという説もあります。
彼女が友の死を二回見届けたと云う事には理由があったのでしょうか。
親友の頼みだから、死に興味があったからなど理由色々はあると思います。
いずれせよ友人の自殺と云う「死」を経験する事によって彼女の世界は確かに変わったのだと思います。
それは現代でこそ希薄になってしまった友情と云う情態に対しての彼女なりの応えであり、自分を「死」に向かって動かす為のエネルギーとなり得たのでしょう。
人間は生まれながらにして死に向かっています。
その死のきっかけが自殺なのか思想なのか戦争なのかは物語の登場人物のみが知っているはずです。
今回も昨年に引き続き高取英メモリアルとして下北沢ザ・スズナリにて公演致します。
様々な人間の想いや思惑が交錯する歴史スペクタクルです。
『帝国月光写真館』は本番まで三週間を切り実践さながらの白熱した稽古を日々行っております。
まだチケットございますので宜しければ劇場にてお会いしましょう。
それでは。
写真は最近外部出演も果たし、歌やダンスの力もメキメキ付けてきている真理支教巫女ダンサーズの本間君です。
