『地獄』
前回のリーディング公演でも主人公河津文六が夢の中で死後の世界を訪ねてしまう場面があります。
僕にはその光景がなんだか地獄のように見えてしまい、文六家の宗旨がキリスト教なので『地獄』の解釈をネットで調べて見ました。
すると地獄は「死者が死後に向かう場所」、「魂が一時的に落ち着く場所」とあります。
この解釈をもって今回の演目『遂に知らん文六』に当てはめてみるとちょっと面白いかなと思います。
文六以外にも地獄を訪れる登場人物が三人います。三人は現世で亡くなった人達ですが、文六は亡くなってはおらず夢現の中訪れてしまっただけ。
実際の世界で死んだ人間と夢現の中地獄に来てしまった人間が同じ空間にいます。同じ空間じゃないかも知れませんが。。。
何か世界が矛盾しています。
どうやら生きている世界も死んだ世界も矛盾しているようです。
世界とはハッキリとは割り切れないのかもしれません。
岸田さんも国や宗教などの社会集団の対立だけではどんな世界も表す事ができないと伝えているような気がします。勝手な解釈ですが、彼が幼い頃から幼年学校に入りエリート軍人として対立の世界で生きてきたからこその世界に対しての解釈かもしれません。
中々分かりにくい話になってしまいましたが、考えれば考えるほどこの戯曲は謎が深まるばかり。
まだまだ解明の余地がありそうです。
本番まではもう少しですが時間の許す限り謎を解明していきたいと思います。
本番は4/23-29です。
まだまだチケットはございますのでちょっとでも興味をもたれた方はぜひともお越し下さいませ。
まだ新人の松永でした。
写真は今回も死後の世界に行く事になった人達です。今回のブログのタイトルが『地獄』なので地獄ポーズをしてもらいました。
ご協力ありがとうございました。
