皆さまこんにちは。三坂知絵子(みさか・ちえこ)と申します。
私は、大学在学中の1998年に月蝕歌劇団の高取英さんと出会い、
1999年5月、月蝕歌劇団公演
「少女革命ウテナ 魔界転生◎黙示録編~麗人ニルヴァーナ来駕~」
に出演。
そこから約10年間、ほぼすべての月蝕歌劇団公演に参加し、
2010年以降は映像作品を中心に活動しております。
今回、ありがたい機会をいただき、
16年ぶりに
流山児★事務所公演に参加させていただくことになりました。
2008年2月、SPACE雑遊にて上演された
「血は立ったまま眠っている」
(作・寺山修司、音楽・宇崎竜童、演出・流山児祥)で
夏美役を演じて以来となります。
【舞台写真】
久しぶりの流山児★事務所作品への出演、
とてもワクワクしております!
どうぞよろしくお願いいたします!
「冥王星の使者」は、
高取英さんが、今から40年前、1984年に
流山児★事務所の前身である第二次演劇団の最終公演のために
書き下ろした作品です。
流山児さんの演出で、
東京公演は下北沢ザ・スズナリ、
名古屋公演は鈴蘭南座、
大阪公演はオレンジルームで上演されました。
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1984年の第二次演劇団《最終公演》「冥王星の使者」公演チラシ
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1984年7月10日発行の
演劇団新聞(「冥王星の使者」公演チラシ)に載っている
高取英さんのコメント
1986年に出版された書籍
『高取英戯曲集 女神ワルキューレ海底行
<聖ミカエラ学園漂流シリーズ原点>
天狼騎士団・冥王星の使者』(ながらみ書房)
に戯曲が載っておりますが、
その後、「冥王星の使者」を月蝕歌劇団で上演することは
ありませんでした。
私がインターネットで検索したかぎりにおいては、
「冥王星の使者」をどこか別の劇団が上演したという記録も
見つかっておりません。
ですので、
「冥王星の使者」という作品が、40年の時を経て、
再び流山児さんの演出で上演されるということ、
その舞台に参加できることは
私にとって本当に嬉しく、胸が熱くなります。
高取さんは、2018年11月26日に
虚血性心疾患のため急逝されました。
66歳。あまりにも突然のことでした。
“もっともっと高取さんの舞台に立ちたかった……”
“高取さんの作品世界、高取ワールドの中の登場人物として
もっと生きたかった……”
高取さんと、もう、会えないんだ、ということを
半分は受け入れつつ、
半分はまだ信じられない私にとって、
この「冥王星の使者」の稽古では、
高取さんが書いたセリフを
自分の身体を通して表現できることの喜びを感じつつ、
再び高取さんと心の奥で対話する時間をいただいたような、
そんな気持ちです。
さらに、
今回の2024年版「冥王星の使者」は、
脚本・演出協力が少年王者舘の天野天街さん、
音楽が巻上公一さん、
そして、
流山児さんは演出に加えて脚本も手掛けてらっしゃいます。
高取ワールド、天野ワールド、巻上ワールド、流山児ワールド、
三者三様……いえ、“四者四様”の世界観が掛け合わさることによって、
稽古場では、毎日毎日、驚きのシーンが生まれています。
あと2週間、11月21日に初日を迎える舞台「冥王星の使者」、
ぜひ、楽しみにしていてください!
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池田遼さんによる振付の様子です。
情熱あふれる独創的なダンス、ぜひご期待ください!!
11月21日が初日、と言えば、、、
初日の前日、2024年11月20日は、
占星術的にとても大事な日だそうです。
私自身はまったく占星術などに詳しくなく、
いわゆるスピリチュアルなことからは遠く離れていて
「占いのラッキーな部分だけ信じる」というような
テキトウな人間なのですが(笑)、
占星術に詳しい友達が言うところによると、
冥王星が、
これまでいた山羊座から水瓶座に移動し、
本格的な「風の時代」が始まるのが
2024年11月20日、とのこと。
なんでも、この日が、時代の重要な変わり目、だそうです。
たしかに書店に行きますと、
「風の時代」に関する本がずらりと並べてあります。
そんな「風の時代」にまるで合わせるかのように、
11月21日から12月1日まで
「冥王星の使者」を上演!
時代の変わり目にドンピシャの日程!!
しかも!
その、占星術に詳しい友達いわく、
前回の「風の時代」が起こったのは
日本では鎌倉時代だった、とのこと。
「冥王星の使者」は、チラシにも書かれてある通り、
まさに、鎌倉時代の義経伝説が
物語においてとても重要なカギとなっています。
冥王星が移動し、
風の時代に突入した日の翌日から、
鎌倉時代が出てくる物語「冥王星の使者」を上演する、、、
という、
様々な要素のタイミングが幾重にも積みかさなった
奇跡のような公演!!
誠実に、
丁寧に、
そして大胆に、
2024年の
「冥王星の使者」を
流山児★事務所の皆さまとともに
演じます!
ぜひ、多くの方に、
高取さんの戯曲そのものが持つ演劇詩的言語の面白さ、
時間/空間を自由に飛び越え、
「if」が2乗にも3乗にも掛けあわされてゆく
歴史と虚構が織りなす眩暈の快感、
そして、
演出により自在に劇世界がふくらむ力強さと奥深さを
ぞんぶんに味わっていただけたら、と
願っております。
↑1986年出版『高取英戯曲集 女神ワルキューレ海底行
<聖ミカエラ学園漂流シリーズ原点>
天狼騎士団・冥王星の使者』(ながらみ書房)
高取さんの優しさを感じる
あとがきの言葉を引用します。
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いつも戯曲集に書くことだが、
ここに収録されている戯曲を上演したい人は、
気軽に連絡して下さい。
原則として、全ての公演に諾することになっているし、
できる限り協力するつもりだから。
一九八六年六月十四日 高取英
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今回の舞台を見て、
高取さんの戯曲を上演してみたい、演出してみたい、
他の作品も見てみたい、などなど、
興味を持ってくださったら嬉しいです。
冥王星は「死と再生の星」……魂が還る場所。
そこからやってくる使者とは誰なのか?
どうか、新宿スターフィールドで、見届けてください。
劇場でぜひお会いできますことを
楽しみにしております!
心から感謝を込めて……
三坂知絵子