流山児★事務所の稽古場レポート
稽古中!!

流山児★事務所
40th Anniversary
『ハイライフ』

生きてるだけで丸もうけ

作 リー・マクドゥーガル
テーマ曲 トムソン・ハイウエイ
翻訳 吉原豊司
演出 流山児祥
演出 西沢栄治

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 


==絶賛!!配信中です!==
↓↓↓↓

『冥王星の使者』



《 配信 》
https://kan-geki.com/tvods/detail/378
 

作⦿高取英
(月蝕歌劇団)

脚本・演出協力⦿天野天街
(少年王者舘)

演出⦿流山児祥

音楽⦿巻上公一
(ヒカシュー)


《 配信 》
https://kan-geki.com/tvods/detail/378

観劇三昧

 

プロフィール
HN:
流山児★事務所
性別:
非公開
自己紹介:

流山児★事務所

中高年演劇=楽塾からブロードウエイ・ミュージカルまで上演し 高い評価を得て多数の演劇賞も受賞し海外公演も、毎年のように行ってる国際的シアターカンパニーです。



★★★新人募集中です!劇団で活動することに興味がある人を募集します★★★



【募集人員】 6名 (俳優・スタッフ・制作)18歳以上35歳未満。 国籍不問。心身ともに健康な男女



詳細はコチラより!!



【お問合せ・応募先】

流山児★事務所 新人募集係 〒162-0045 

東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307

TEL:03-5272-1785(平日13時~17時)

 E-MAIL:mail@ryuzanji.com





バーコード

 この十年近く、私は意識的に「現代演劇の基盤」と呼ぶべき6070年代アングラ演劇の検証と再創造を若い演劇人たちと共に続けている。唐十郎、寺山修司、別役実、佐藤信といった劇作家のコトバが如何に熱く時代を切り裂いていたか?を《検証=理会》することで、次代を担う新進演出家や俳優の育成事業になると確信している。天野天街(少年王者舘)=演出『浮世混浴・鼠小僧次郎吉』(佐藤信)『田園に死す』(寺山修司)、『夢の肉弾三勇士』(流山児祥)に始まり、西沢栄治(Jam session)の佐藤信(黒テント)の「喜劇・昭和三部作」上演、小林七緒(流山児★事務所)の唐十郎(紅テント)の「初期名作戯曲・三作品連続上演」を行ってきた。今回、CHAiroiPLIN主宰であり、振付家、ダンサーでもあるスズキ拓朗の演出家としての別役実戯曲挑戦は、この企画の延長線上に誕生した。

 『不思議の国のアリス』は1970年に俳優小劇場によって初演。別役実が劇作家としての新境地を切り開いた、物語性を色濃く持った作品。別役実『マッチ売りの少女』『カンガルー』での岸田國士戯曲賞受賞に続いて、唐十郎『少女仮面』佐藤信『鼠小僧次郎吉』シリーズによる連続受賞とアングラが現代演劇の主流となった時代の傑作戯曲である。巷は、いまだ、70年安保闘争、騒乱の真っ只中にあった。

 スズキ拓朗版『不思議の国のアリス』は202112月、顔合せで始まった。わたしは、前述のように役者・スタッフに作品が書かれた時代背景や個人的別役体験を話した。(わたしの20歳の初演出作品は、別役実『門』(1967)である。後に三木のり平さんに誘われて稽古場を覗かせてもらった。)ベケット『ゴドーを待ちながら』のように、意味性を拒絶し作意を秘匿する別役劇世界は「ただ在る」演劇です、と、わかったようなワカラナイ演劇のオモシロさを話した。ワカラナクテイイのである。『アリス』は別役の初期見世物の劇、巫女の劇ともよばれるカクメイ(命を革める)劇でもある。ルイス・キャロルの幻想童話を借景に「家族の」日常の何気ない言葉が「社会のゆがみ、ひずみ」を照射するドラマ。女王陛下の王政復古に対して反抗する共和国の喜劇役者の娘:アリスは探偵X氏と結合しマボロシの共和国を支える子供をたくさん産むと決意して芝居は終わる。

 このワカラナイ劇について、参加した役者達は様々な感想を述べた。曰く、前衛音楽のよう、暗いアングラでなく、明るい音楽劇に、唐さんや寺山さんに共通するものがある、これは国家論?革命論?家族論?拓朗は、その感想の一つ一つに丁寧に応え、芝居創りの初動を探す。一つの答えではなく様々な「等身大」「当事者性」に裏打ちされた手がかりを全員で探していく方法である。元々、保育士志望だった彼が、蜷川幸雄やコンドルズに出会い、演劇というカラダを通して社会と繋がる愉しさを覚え、いま舞台芸術の最先端で活動している。拓朗が拘っている「家族」のドラマが『アリス』には見事に詰め込まれている。彼は顔合せの最後にこう語った「社会の最小単位であるべき《家族》の大切さを、演劇やダンスや音楽や映像を通して表現したいという気持ちがずっとある」と。

 別役実という劇詩人のコトバに最大のリスペクトを払い、ポップな音楽劇で描く別役実の<寓話として家族劇>を! 万有引力、流山児★事務所、元・唐組、といったアングラ系劇団、東宝ミュージカルで活躍する俳優、ミュージシャン、様々なフィールドの表現者が「ワカラナイ」と言い合いながら創り上げる現場が熱気を帯びて立ち上がった。何でもアリの別役劇、誰も観たことのないスズキ拓朗版『不思議の国のアリス』ご期待ください。



Copyright c 稽古場日誌 All Rights Reserved
Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
/